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ステーブルコインを支援しなければ、金融における存在感を失う:ECB元理事が警告 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
ステーブルコインは急速に成長している。だがRWA.xyzのデータによると、2550億ドル(約37兆円、1ドル145円換算)規模のステーブルコイン市場の大部分は現在、2410億ドル(約35兆円)規模の米ドル建てステーブルコインが占めている。
欧州中央銀行(ECB)の元理事でソシエテ・ジェネラル(Société Générale)会長のロレンツォ・ビニ・スマギ氏は、この不均衡が次世代のグローバル金融において、欧州を脇に追いやる可能性があると指摘した。
フィナンシャル・タイムズに寄稿したビニ・スマギ氏は、欧州連合(EU)はすでに「暗号資産市場(MiCA)法」を制定し、発行者にステーブルコインを現金と高品質の国債で裏付けることを義務付けていると指摘した。
EUは分散型台帳取引のパイロット制度も運営している。しかし、銀行と政策当局者が新技術に消極的なため、ユーロは現在のステーブルコイン市場でほとんど存在感がないと同氏は記している。
なお、ソシエテ・ジェネラルは、2023年にユーロ建てステーブルコインを発行している。先月、同社は米ドル建てステーブルコインも発行した。
同氏は、この現状は欧州の通貨主権を脅かすと指摘している。消費者や企業が日常の決済と貯蓄にドル建てステーブルコインを採用すれば、ユーロ圏の銀行から米ドル建てステーブルコイン発行プラットフォームに預金が流出する可能性がある。
こうした変化は、金融におけるECBの支配力を弱め、金利調整や市場安定化の能力を損なうことになるだろうとビニ・スマギ氏は続けた。規制当局は進歩を阻害するのではなく、支援すべきだという。
ユーロ建てステーブルコインの発行を支援し、基準策定を調整することで、ECBは国境を越えた決済を現代化し、欧州の資本市場の統合を支援できると同氏は述べた。
欧州がこのまま傍観を続ければ、「グローバル金融の未来における周縁化を受け入れることになる」とビニ・スマギ氏は記している。